カルティエ展

カルティエ展より
カルティエ展より

この日は雨の中、カルティエ展を見に行ってきました。 ”「Story of …」カルティエ クリエイション~めぐり逢う美の記憶” と題して、フランスを代表するジュエラー、カルティエが所有するジュエリーと時計の作品が数多く展示されています。

場所は上野の国立博物館 表慶館。カルティエの作品を展示するにふさわしく、趣あるところです。この建物にも心引かれました。明治42年(1909)に開館した、日本で初めての美術館。設計は建築家 J・コンドル氏の弟子で、東宮御所(現 迎賓館)などを手がけた宮廷建築家片山東熊。明治末期の西洋建築を代表する建物として昭和53年(1978)に重要文化財に指定されています。建物の中央と左右にドーム屋根があり、上層部の外壁面には細かなモチーフが装飾されております。花などの植物を施したような印象があったこのモチーフは、製図用具、工具、楽器などだそうです。 – 東京国立博物館ホームページより引用

表慶館の真っ白な壁面の入り口から一転して展示室は、真っ暗闇。そこに静かに輝いて作品が飾られています。ダイアモンドがちりばめられたティアラは、眩しいほどにキラキラ輝き、その光は心が浄化されていくような強いパワーが感じられました。

世界の王侯貴族からの特別注文で製作された作品も数多い中、印象に残ったものが、今回展覧会表紙にもなっている「マハラジャ ネックレス(1928年)」。大粒の石とネックレスの大きさに圧倒されます。ネックレスの地金に同色の紐のチェーンが素敵な組合せと思いました。

1900年代初期頃の作品には特に、日本や中国の影響を受けた作品も見受けられました。翡翠、オニキス(正式名:ブラックカルセドニー)や黒いエナメルと珊瑚を組合せた作品は、東洋的印象が強くなります。この当時は、パリで万国博覧会が開催され、東洋の芸術が紹介された頃でもあります。芸術家達が東洋的なものから影響を受けたものも多く、カルティエも同じ様に影響を受け作品を作っていたのだなと思うと、より興味深く見られました。

全体を通して印象的なものは、プラチナの地金に主に白(ダイアモンド)、青(ブルーサファイア)、緑(エメラルド)、赤色(ルビー)を組み合わせた作品です。エメラルドは彫刻を施したもの、ブルーサファイアは大きなカボションカットされたものもあり、それぞれの石の特徴的なインクルージョン(内包物)が肉眼ではっきりと見られ、ここでも小宇宙の美しさに触れられたのは嬉しい限りです。

装身具を作る者として興味深かったものは、作品の原型の石膏型が展示されていたことです。細かい装飾的なところも石膏で丁寧に形作られていました。もう1つは、カルティエの工房が映像で紹介されていたことです。ジュエリーが完成するまでの工程が紹介されていました。実際の製作する机、工具も展示されておりましたが、あまり真近でみられなかったのがとても残念。遠くからでも正直に、まるごと一式ほしい~と思ってしまいました。

世界中から注文を受けるカルティエジュエラーの作品のモチーフは、動植物から航空機、宇宙の果てまでありとあらゆるものです。アールデコ調の幾何学的作品が印象的ですが、かわいらしいラッキーチャームジュエリーもあります。カルティエの歴史と文化の偉大さに改めて気付かされた日でした。友人Yさんのおかげで、素敵なものを見せて頂きました。

カルティエジュエラーはなぜ長く繁栄し続けることができ、また偉大な作品を世に残すことができたのでしょうか?カルティエの輝いた時代の歴史について触れてみたいと思います。