歌舞伎鑑賞 再発見

先日、NHK番組「知る楽」では、極付歌舞伎謎解と題して、歌舞伎の魅力について作家松井今朝子さんが語っていました。
歌舞伎には様々な動物が登場します。獅子、虎、牛、馬、猿、鼠などなど。動物や自然物と人間が同じ目線で表現される演劇は、世界でも珍しく日本独特のもののようです。番組では、「義経千本桜〈四ノ切(しのきり)〉」を紹介。狐が鼓にされた親狐を思い、その鼓の持ち主の源義経から取り返そうする場面で、親を思う狐の気持ちに情けを感じる源義経の心情こそこの歌舞伎のクライマックスシーンと松井さんは説明しておりました。
動物や自然に学ぶ姿勢や感性こそが、豊かな自然に対する日本人の向き合い方だったのではと締めくくっています。動物や自然を愛で尊ぶ気持ちは、古来から日本人の持つ感性と思いますが、それを戯曲にするとは、ある意味大胆かつシュールな芸術だなと再発見。この様な視点から、又歌舞伎が見たくなりました。