万華鏡の視覚 展

六本木ヒルズ内にある森美術館にて、久々にファインアートの世界に触れました。学生時代に学んでいた以来、実に???十年ぶりです。美術館は森タワー53F にあり、作品を見る合間に大都会東京の展望も楽しめました。
万華鏡の視覚 THE KALEIDOSCOPIC EYE - 人間の五感をあらゆる角度から刺激される、ダイナミックなインスタレーションを中心とした、国際的に活躍される現代のアーティストたちの作品展です。彼らの作品に対面した時、私たちが慣らされている常識的な感覚は覆されます。彼らは作品を通して、 ”現実” とは何か。 ”私たちが生きている世界” とはどこか。人間の ”存在と認識” の可能性を探っています。万華鏡が映し出す魅惑的な世界は、多様で一つとして同じ視点がないように、人間の感覚も無限大にあるということを感じとれる展覧会でした。

「Reflecting Object(映す物体)」 2006年
Jeppe Hein(イェッペ・ハイン)作
白壁の空間に、金、銀、黒、白で構成された幾何学的な線でびっしりと敷きつめられた床、その床の上に銀色のボールが置いてある作品です。銀色のボールは時に、その空間を自由にゆっくりと転がり、そのボールの球面に、私たち観覧者が往来する様子や床の幾何学的模様を映し出します。ボールが転がる度に、球面に映るものは変化し、飽きることなく、ずぅっとボールを見いってしまいました。考えてみれば銀のボールに、全く同じものが映されることはない、まさしく”万華鏡の視覚”で捉えられる作品ですね。

「Gate(門)」 2003年
Suh Do Ho(スゥ・ドーホー)作
作者の幼少の頃に住んでいた家の門がモチーフになっています。門は韓国の伝統的建築様式によって造られたもの。その門をくぐり抜けて遊んだ幼少の頃の思い出と、伝統的建築様式を残そうとする作者の思いが、なんと絹の布で表現されています。絹の布であれば、重厚な建築物との思い出の記憶も、どこにでも簡単に持っていけると考えて作られたそうです。そのユニークな発想が面白いです。

「Untitled(無題)」 2009年
Heimo Zobernig(ハイモ・ツォーバニック)作
こちらは、一見よく見られる単純な幾何学模様ですが、実際の絵を見ると、ムラがなく丁寧に描かれた三角形と色の組合せがとても美しい作品でした。幾何学模様の組合せは、無限大にあるということにあらためて気づかされた作品でした。
※ 以上3点の画像は、「万華鏡の視覚」 展 ちらしより拝借しました。
作者の意図は別として、私なりに、”万華鏡の視覚” から感じとれた作品3点を紹介しました。